Client Voice
“オンプレからクラウドネイティブな組織へ”
ARIの 内製化支援を活用し、意識変革とスキルのクラウドシフトを加速

ほけんの窓口グループ株式会社
1995年に設立。一社の商品だけでなくさまざまな生命保険・損害保険を取り扱い、最適な商品を提案する、いわゆる「乗合代理店」のパイオニア。「ほけんの窓口」ブランドで、FCを含め全国に約800店舗を展開している。経営理念に「お客さまにとって『最優の会社』」を掲げ、顧客の声に寄り添い、保険商品を通して安心・安全を届けることを徹底。それぞれの顧客にとって本当に必要な保障を提供することで、多くの支持を受けている。

オンプレで内製を続けてきたシステムをクラウド化 SEの意識醸成を第一歩に
同社は、主に使用するシステムをオンプレミスで構築・運用しています。その一番の理由はセキュリティ。保険販売という、多くの顧客の個人情報を扱う事業の性質上、情報漏洩は1件たりとも許されません。自社のデータセンタを持ち、100人ほどのSEによって内製でシステムを維持してきました。しかし業容拡大に伴って、2013年に400あった店舗数は10年で倍の800店舗に増加。5,000人の従業員・パートナーが使うシステムとなり、肥大化が進んでいきました。こうした状況を鑑み、同社は2022年、システムの将来的なクラウド移行を決定。システム部長(当時)の古井氏はこう振り返ります。
「近年クラウドのセキュリティレベルが高まっており、システムでできることを広げる目的もあり、内製の体制を維持しつつ基盤をAWSなどのクラウドに移行していく方針を決定しました。しかし、当社のSEは業務でクラウドシステムを使った経験はありませんから、急にクラウド化を進めることは困難です。まず一歩目として何をすればよいのかと考えていたとき、以前からつながりがあり、AWSへの知見が豊富なARIの担当者に相談しました」(古井氏)
当時、同社へクラウドシフトに向けた総合的な提案を進めていたARI。相談を受け、現場調査や打ち合わせを行いました。そこから見えてきた課題は、SEのクラウドへの意識醸成。cnaris - Insourcingのサービス「AWSトレーニング⽀援」を提案しました。
「AWSへの知見が豊富な技術者が講師を務める点、単にクラウドの基本的な理解だけでなく、その先の移行を見据えて柔軟にカリキュラムを提案してもらえる点に魅力を感じ、導入することにしました」(古井氏)

3段階のトレーニングで深まった理解 AWS資格取得のきっかけにもなった
2023年春、ARI担当者がトレーニングの内容を提案しました。同社SEがクラウドの利点を理解し、業務での利用や移行の流れをイメージできるよう、カリキュラムを作成。今後内製化を進める上で必要となる「クラウドの基礎」、IaC やDevOpsなどへの理解を深める「クラウドアプリ開発」、移行のためのツールや移行後の最適化・運用について盛り込んだ「クラウド移行」の座学に加え、実業務に沿ったハンズオン形式の実践型インプットも取り入れたトレーニングを3回に分けて実施することになりました。
「私を含め、当社SEはクラウドへの理解が甘い状態だったので、概要に加え、難しさも含めたクラウドの現実の部分も織り交ぜた内容にしてもらえるようお願いしました。トレーニングを通して、メンバーにクラウドへの『スイッチ』が入ってくれたらという思いがありました」(開発一課長=当時=の松田氏)
6月にオンラインで実施された3回のトレーニングには、アプリ担当のSEを中心に、最終的にはインフラ担当者を含めてのべ50名が参加。受講者から多くの質問も寄せられ、充実したトレーニングとなりました。アンケートでは、それぞれ60%以上が「講義を理解できた」「学習意欲が高まった」と回答する結果に。このトレーニングをきっかけに、松田氏自身も約3か月かけて4つのAWS認定資格を取得しました。
「ARIの講師もリスキリングで全12種類のAWS資格を取ったと聞き、『自分も負けていられない』という思いが湧いたんです。私が資格を取ったことで、部下の中にも認定プログラムに挑むメンバーが出てきていますし、クラウドシフトに対してみんな前向きになっていますね。ARIのトレーニング実施から時間が経って思うのは、講義資料がポイントを押さえて作られていたこと。見返すと、受講時に理解できていなかった部分もクリアになるので、部下にももう一度読み直すようにアドバイスしています」(松田氏)

知識豊富で丁寧な講師に好感 ‘BX designer’ ARIのさらなる支援にも期待
今回の「AWSトレーニング⽀援」施策を通して同社は、講師のAWSに対する知識の豊富さ、丁寧でスムーズな進行など、ARIの対応を高く評価。今後も‛BX designer’ ARIの多角的な支援を受け、社員のナレッジを強化しながらクラウドネイティブな組織づくりを進めたいといいます。
「クラウドシフトそのものがゴールではなく、いかに安定的に運用を継続できるかが大切です。クラウドの利点を生かしながら、内製で移行・運用を進めるためにはどんな体制づくりが必要か、どんな知識が求められるかなど、私たちが把握しきれていない面も少なくありません。その点は、これからもARIに相談しながら進めていければと考えています」(古井氏)