Client Voice 業務効率化を目指して、kintoneカスタマイズ開発プロジェクトで築かれたパートナーシップ
メールやFAXベースで行なっていた申請業務が現場の大きな負担に
株式会社国際教育センターVISTA ARTSは、同社が所属するグループ企業のITに関する様々な業務を請け負うシェアードサービスを提供しています。
同社が行う業務の一つには、グループ企業が利用する各種サービスやシステムのアカウント管理がありますが、アカウントの追加や削除対応時の申請方法はシステム化されておらず、用意したエクセルのフォーマットに必要な情報を入力後、一度プリントアウトして捺印し、再度スキャンする行程を経てPDF化したファイルを、メールやFAXで受け付けるという方法を取っていました。
このように、紙の文化を残した申請手順に管理工数が割かれ、他の業務を圧迫する状況を問題視した同社IT・システムサービス部の大和氏は、サイボウズ社が提供している業務改善プラットフォームkintoneを利用して、ワークフロー申請のシステム化を決断しました。
しかし、いざ着手しようとしても、膨大な量の業務に日々追われている状況下では、開発に人的リソースを割くことも難しく、スピード感を持って本格的に動き出すことができずにいました。
このような状況を打破するためには「協力してくれる開発パートナー」が必要だと考えた大和氏が声を掛けたのが、A Rアドバンストテクノロジ株式会社(ARI)でした。
システムのクラウド移行のニーズと、ARIの技術領域がマッチ
VISTA ARTSとARIの出会いは、別のシステム開発の提案からでした。
「その件は具体的な話にはなりませんでしたが、昨今の流れに合わせ、グループ企業間で利用するシステムの基盤をオンプレミスからクラウドへとシフトさせる全体の構想の中で、AWSやAzureと言ったクラウド技術に明るいARIさんの事は頼りになりそうだなと思っていました。今回のkintone開発の件についても、サーバー管理コストの削減や開発時間の短縮という観点からAWS Lambdaの活用をご提案いただき、採用いたしました」と大和氏は当時を振り返ります。
2020年12月にプロジェクトが本格的にスタート。合計で7つの申請業務に関して、ワークフロー申請のシステム化を進める計画となっています。
「現在(2021年7月8日)、1つ目のワークフロー申請機能の受入テストがスタートした段階です。これからシステムの細部や品質を確認し、追加の要望や修正の対応をしていただき、本番運用に向けて磨きをかけていければと思っております」と同社IT・システムサービス部の吉田氏は語ります。
社内で利用する販売管理システムの開発プロジェクトもスタート
協力関係を深めた両社は、並行してVISTA ARTS内で利用する販売管理システムの老朽化に伴い、同様にkintoneをカスタマイズして、システムを刷新するプロジェクトをスタートさせたとの事です。
プロジェクト全体を通して、同社IT・システムサービス部の日下部氏が、ARIに感銘を受けた点として挙げたのが「ヒアリング力」と「具体的な形にする力」でした。
「我々がkintoneのカスタマイズの知見や開発経験が少ないので、どうしてもふわっとした内容でお話を渡してしまう機会が多いのですが、要望を理解し短期間で具体的な形として画面に落とし込み提示してくださる。そのヒアリング力と、具体的な形にする力はすごいと感じています」(日下部氏)
「より良いサービスを提供するために」将来の展望
今後、2021年度末を目処に業務の効率化を目的に構築した複数のシステムが、部分的に機能リリースされていくことになると言う。
「私達が置かれている現状では、オンプレミスを維持していくための人的リソースが圧倒的に不足しています。より良いサービスを提供していくためには、クラウドの活用や外部の開発会社との協力が必要だと考えています。業務の効率化を推進しながら、サービスを提供するシステムの基盤も改善していきたいと考えています」(大和氏)