Client Voice 日本の学術を支える24時間監視の研究データ管理基盤:先進のクラウド技術と豊富な運用ノウハウで、効率的に自動化やドキュメント化を実現
国立情報学研究所
国内で唯一の情報学の学術総合研究所として2000年に発足。人工知能やIoTなど先端領域を含む幅広い分野で、多彩な研究を推進している。また、大学共同利用機関として研究・教育活動に必要な情報基盤の構築・運用に取り組み、学術コンテンツやサービスプラットフォームも提供。国内外の大学や研究機関、民間とも連携しながら、「研究」「事業」の両輪で、情報学での「未来価値創成」を目指している。
リリースに合わせた24時間有人運用 豊富な運用知見を持ったARIが支援
今回ARIが手がけたのは、国立情報学研究所の研究データ管理基盤「GakuNin RDM」の運用支援。
「GakuNin RDM」は、研究者が研究データや関連資料を管理・共有するための研究データ管理サービスです。研究者は本サービスのクローズドなファイルシステムで共同研究者とデータ共有を始めることができます。(https://rcos.nii.ac.jp/service/rdm/より引用)
研究活動は昼夜を問わず行われていることから、同研究所は本格運用開始にあたって、24時間365日の有人運用に移行しました。監視・運用を行うベンダーを選定するため、2020年末に入札を実施しました。
入札にあたっては、入札仕様書に記載している内容を網羅するだけのスキルを持っていることはもちろん、24時間の監視体制を構築することが求められます。 AWSのパートナーであるARIの豊富な知見を活かせること、また支援体制もあることから落札に至りました。
監視機能の強化から自動化・ドキュメント化推進まで 運用をきめ細かに支援
プロジェクトの着手は2021年1月。「GakuNin RDM」の、より安定したサービス運営を実現するため、システムの監視機能を強化するところからプロジェクトがスタートしました。
ARIはまず「 GakuNin RDM」の資料を提供いただいたうえで、ご担当者に繰り返しヒアリングを実施し、ネットワーク構成などシステムの全体像を把握。1か月ほどかけて監視機能を整備しました。
並行して、24時間365日の有人監視体制の整備にも着手。メンバをローテーションさせる形で、夜間を含めて対応可能なチームを編成しました。メンバ間で抜け漏れなく情報共有できるよう、交代時に30分程度の引き継ぎ時間を設けるなど、工夫を重ねながら体制を構築していきました。
体制を整え、「GakuNin RDM」の監視運用が軌道に乗ると、ARIは同研究所の依頼を受け、さらなる運用改善に取り組みました。
一つは、作業の自動化です。
たとえば、1時間に1回、オペレータがブラウザを開いて行っていた稼働確認作業を、ツール開発を行い自動化を実現。
また、障害を検知した際に自動的に関係者に通知する仕組みも整えました。
ARIメンバはクラウドのコンタクトセンターサービスを活用。サービスに影響を及ぼすおそれのある障害を検知すると、関係者へ自動的に通知する仕組みを整えることで、対応を迅速化しました。
そしてもう一つの取り組みは、ドキュメントの整備です。
「GakuNin RDM」の継続的な運用を見据え、ARIはシステム構成図や設計書、手順書などのドキュメントを整備。作業の属人化を抑止する体制構築の実現に貢献したことが、同研究所からも評価をいただいています。
柔軟で迅速な対応に評価 ‘BX designer’ のARIが多角的に管理基盤を支える
ARIはその後も同研究所のさまざまな取り組みに対して、支援を続けています。
たとえば、何か問題が発生したときのログ収集の精度を高める取り組み。
これは、余計な情報を除外して、必要なものだけを絞り込んで同研究所に提供することで、障害に対してより効率的に対処できる環境を整えるものです。
ARIは同研究所のDevOpsサイクルのさらなる高度化に向けて、ソリューションや技術支援の提供を今後も行っていきます。
ARI 担当者の取り組みに対して、同研究所からも「こちらから提示する仕様や設計を的確に理解し、迅速に対応してくれる」と高い評価をいただいています。
今回の事例のようにARIには、単純にリソースを提供するだけではなく、クラウドや運用の知見を生かして、お客様の困りごとを解決に導くさまざまな提案ができるという強みがあります。
私たちはビジネスに変革を起こす ‘BX designer’ として、これからも多角的にお客さまを支援していきます。