Client Voice デザイン先行型の独自アプローチによるモダナイズ支援が、オンプレミス型ソフトウェアのクラウド化を後押し
日清丸紅飼料株式会社
1957年設立。「食の絆を未来へ」をキーワードに、高品質な飼料および関連製品の製造・販売を行う。豚、採卵鶏、肉用鶏、養牛といった畜産飼料や、海水魚、淡水魚などの水産飼料まで幅広くカバー。常に顧客に寄り添う「現場第一主義」を強みとし、営業部門とは別に、技術サポートを専門とする部署を設置。細やかなサービスと安全・安心な製品の供給で、日本の食を支えている。
ロングセラー「MNFIS」 のクラウドサービス化に向け、ARIが提案したデザイン先行開発
日清丸紅飼料株式会社は、自社開発の畜産生産状況をコンピューターで管理するソフトウェア「MNFIS(エムエヌフィス)」を長年提供しています。養豚・養鶏・養牛用と種類があり、繁殖成績の管理を通して効率的な農場経営に役立つシステムとして、多くのユーザに支持されてきました。
既存ユーザの使い勝手も考えながら、クラウドにふさわしいモダンなUIに
ARIのUI/UXチームによる支援は2024年2月にスタート。年度内に「クラウド版 MNFIS」の具体的なイメージを社内に共有し、討議の俎上に乗せるため、プロトタイプ制作にはスピードが求められていました。
「3月中という限られた期間で成果物をつくるスケジュールだったのですが、ARIはスピーディーに対応してくれました。また、予算の制約も大きい中で、実現可能な範囲で最大限のアウトプットを目指して、さまざまな提案をもらえました」(塩中氏)
MNファーム株式会社 企画部長 谷口氏は、週2回のヒアリングを通して業務理解を深めていくARIのUI/UXチームの「プロの仕事」に驚いたと話します。
「最初は正直『どんな仕事をしてもらえるのだろう』と思っていましたが、畜産業界にもともと知見のないARIのUI/IXのディレクターとデザイナーが、どんどん知識を吸収してデザインに落とし込んでいったのには、大いに驚きました。
結果、MNFISに慣れ親しんだユーザの使い勝手を損なわない範囲で、『そういうものが欲しかった』というクラウドサービスらしいモダンな要素を加えたUIを提案してもらうことができました」(谷口氏)
「私も、畜産業界の生産管理の実務をうまく吸い上げてアウトプットしてもらえたと思っています。ユーザの目線を失わずに、モダンなシステムとして機能させるUIのありかたを、ARIに勉強させてもらいました。目からうろこでしたね」(新田氏)
制作過程では、デザインツール「Figma」を活用。制作中のプロトタイプを共有しながら進行していきました。
「それまで他のベンダーとは、WordやExcelなどのファイルをやりとりしながら制作することがほとんどでした。どれが最新のデザインかわからなくなることも少なくありませんでした。Figmaを使うのは今回が初めてでしたが、ブラウザ上で常に全員が最新の状況を確認できるのは良かったですね。それをもとにコミュニケーションを重ね、ARIと一緒に成果物をつくりあげられたと思っています」(塩中氏)
プロトタイプで社内の合意を得て、クラウドサービス化が一歩前進
「MNFIS」のクラウドサービス化だけでなくUIの刷新をも形にしたプロトタイプは、2024年3月に完成。これをもとに社内でプレゼンを実施した結果、クラウドサービス化に向けた検討を継続して進められることになりました。
「『クラウドサービスはどういうものか、何ができるのか』という部分を、プロトタイプによって目に見える形で示すことができました。ARIのおかげで、一歩先に進むことができたと思います」(谷口氏)
「ARIは『かゆいところに手が届く』柔軟性がありますね。こちらの話で伝わりづらい面があっても、それに対して的確に質問を投げかけてもらえたので、コミュニケーションが楽でした」(新田氏)
「それと、きちんと業務理解を深めてくれたので、会話のラリーができたのも良かった。『こんなアプローチがあるのか』という適切なアドバイスや、新しいテクノロジーについても教えてもらえました」(塩中氏)
今回の取り組みを通じて、ARIを高く評価しているという同社。今後、クラウドサービス化に着手する際は、継続して支援を依頼したいと話します。
「現段階では、費用面を含めてクラウドサービス化について検討している段階ですが、進められることになれば、ARIに支援してもらいたいと思います。もともと自社開発を目指していたので、将来的な内製化についてもアドバイスを受けながら進めていきたいですね」(新田氏)