Client Voice ChatGPTによる社内生成AI活用基盤をセキュアに構築 グループ利用者10,000ユーザーを超え、社内DX加速と開発内製化の進展にも寄与

ダイキン情報システム株式会社様

ダイキン情報システム株式会社

ダイキン工業のシステム部門として1972年に発足した「計算センター」をルーツに持ち、1999年に前身の「情報化推進センター」から分社化。空調機器・冷媒を主体に、環境技術を活かした製品・サービスを世界中に提供するダイキングループのシステム開発・運用保守、ネットワーク設計・運用を担っている。強みは、単なる IT 実行部隊としての役割にとどまらない、ダイキン工業IT推進部との一体的連携によるIT基盤強化への取り組み。中でも「IT創発グループ」は、AIなど先進ITの調査・検証、導入支援などを通して、グループ全体のスピード感あるDXを力強く後押ししている。

ChatGPTの早期活用へ 生成AIへの知見と技術力を持つARIに支援を依頼

ダイキン情報システム様は、先端技術をダイキングループ全体に生かすための「攻めのIT」を担う「IT創発グループ」を組織しています。急速に技術革新が進んでいる生成AIの領域では、2022年末にChatGPTをリリース。膨大な社内情報を迅速に活用し、付加価値の高い業務に集中できる環境づくりが求められる中、IT創発グループでは2023年の年明けごろから、社内でのChatGPT活用に向けたPoCに着手しました。しかし当時、生成AIの専門知識を持った人材が不足していたと、同グループの北浦 嘉浩氏は振り返ります。

IT創発グループ 課長 北浦 嘉浩氏

「生成AIの急速な普及に伴い、社員がChatGPTを活用できる環境をスピーディーに整備する必要があったので、外部の方の力を借りることを考えました。そこで候補に挙がったのが、社内の別のプロジェクトでお付き合いがあり、技術力の高さに社内で定評のあったARIでした。生成AIやクラウドなどの技術に長けたエンジニアが在籍しているという情報も得たので、相談してみることにしました」(北浦氏)

提案段階からARIに好印象を持ったという北浦氏。支援を受けることを決めた大きな理由の一つは、ARIの「人」だったといいます。

「社内・社外問わず、大切なのは人と人とのつながり。ARIのみなさんとお話をする中で、営業担当者とディレクター、コンサルタント、開発メンバーとの連携がうまく取れていると感じました。技術面はもちろんですが、『この人たちに任せれば問題ない』と直感的に思えたこともあり、支援を依頼することにしました」(北浦氏)

セキュアな社内生成AI基盤をわずか1か月で構築 グループ10,000人が活用する必須ツールに

社内データが生成AIの学習に使われず、外部へデータが漏洩しない社内ChatGPTの速やかな開発が求められる中、プロジェクトは2023年2月にスタートしました。同社が最も懸念していたのは、グループ社員が入力した情報が漏洩するセキュリティリスク。そこで、ARIの支援のもと、OpenAIのGPTモデルを利用可能なAzure OpenAI Service(AOAI)とAWSのクラウド基盤を用いたシステム構築を進めました。

また、既に導入されていたアジャイル開発の推進が課題となっていたため、ARIは生成AIに関する豊富な知見とスクラムマスターを有するエンジニアによるプロジェクト推進を支援し、開発を主導しました。

「アラート出しを含めてARIの担当者がプロジェクトを引っ張ってくれたのは大きかったですね。日進月歩で移り変わるChatGPTの動向に追従する意味でも、アジャイル開発はフィットしたと思います。BetterChatGPTを活用したUI構築をはじめ、オープンソース技術の導入による工数削減の工夫を行い、わずか1か月でプロトタイプを完成。とてもスピード感があり、他社からも『ダイキンは開発が速い』と言われるほどでした」(北浦氏)

2023年4月、他社に先駆けて社内向けChatGPT「D-Wind」の初期リリースにこぎ着けた同社。その後も機能開発やUIの改善を進めていきました。

「D-Windという名前に込められているのは、『ダイキングループに新しい風を吹かせる』という願い。UIはダイキングループのコーポレートカラーを意識してつくりあげていきました。初期リリース後は、実際に利用し始めたユーザーの意見も踏まえて、『無機質なものよりも、フレンドリーなUIのほうが使われる』『実際に社員がこんなふうに使っている』と意見を出し合いながらARIと開発。例えば画面の右側には、社員にとって使いやすいプロンプトのテンプレートを集約し、左側にはチャット履歴が表示されるようにしました」(北浦氏)

開発に限らず、社内へのプロモーション面でもARIの支援を受けた同社。事業部向けの勉強会の開催や、AIで生成したPRキャラクター「エアリーくん」とともに活用を促していきました。結果、当初グループ全体で2,000人だったユーザー数は年間数千人ペースで増加。2026年3月末には10,000ユーザーを超えるツールに成長しました。

「要件定義書の壁打ちなど、D-Windは当社内で当たり前に使うツールになっていますし、プログラミングや研究開発部門での活用のほか、議事録の要約や翻訳、現場レベルではメール作成やドキュメントの『たたき』作成など、グループ全体で幅広く利用されています。当社として、ここまで利用が広がったシステムは経験がないくらいです。

業務効率化にもつながっていて、例えば平均30分要していた翻訳、要約業務が、3分程度で完了するというケースもあります。ダイキングループにおいてもD-Windを評価する声が高まり、おかげさまで2024年にダイキン情報システム社内表彰、2025年にはダイキン工業社内表彰、を受賞することができました」(北浦氏)

ARIメンバーの高いスキルとチームワーキングを評価 開発の内製化も進んだ

北浦氏は、ARI担当者の技術・ノウハウを高く評価。今回のプロジェクトが、同社の開発内製化にも寄与しているといいます。

「ARIのメンバーは、一人ひとりのスキルが高いうえ、チームとしての雰囲気も良いです。営業から開発まで、チームとしてしっかり連携していて、こちらもプロジェクトの進捗をつぶさに把握できました。UIのつくりこみの部分もそうですが、一歩踏み込んで、積極的に意見を出してくれたのも助かりました。

とりわけ、プロジェクトを主導し、さまざまな知見を提供してくれたエンジニアには感謝しています。当初から即戦力として活躍してもらっただけでなく、リーダーの立場で当社開発メンバーへの指導・アドバイスもいただきました。さまざまな技術的知見の提供や、ペアプログラミング などを通して若手が成長したことで、当社の開発力が上がったと思っています。

現在は、新たにAIエージェントを開発すべくARIとプロジェクトを立ち上げ、PoCを進めているところです。業務プロセス全体をシームレスに支援し、複雑な手続きを一気通貫で任せられるような、精度の高いものにしたく、今後もARIの力を借りたいと考えています」(北浦氏)

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